お金というのは、「目的」ではなく「手段」

お金というのは、「目的」ではなく「手段」

お金というのは、人間の感覚を麻痺させる
不思議な魅力があるようです。

そもそもお金とは、モノやサービスを交換するための
「手段」に過ぎません。

ところが、それが知らないうちに
「目的」になってしまう人がとても多いのです。

お金の意味をいつも考えていないと、
資産運用をやっているうちに、

資産を殖やすことがいつしか目的になってしまう
いうワナに陥ってしまいます。


お金が殖えても、
そのお金を有効に活用して
何かを実現しなければ意味がありません。

それなのにお金を殖やすこと自体に熱中してしまい、
それが何のためになるのかを忘れて
しまうのです。

デイトレードで毎日の取引結果に一喜一憂している人は、
売買時に得られる興奮を得るために取引を
するというような、取引中毒になっています。

これでは資産運用の本来の目的は果たせません。

お金の運用は会社経営と同じ

お金を運用することと会社経営には似ているところが
たくさんあるということです。

例えば、資産運用では「分散投資」、
つまりひとつの資産に集中させないで色々な商品

分けて運用することが大切ですが、
企業経営でも事業の分散が重要です。


ひとつの商品
だけに頼っている企業はリスクが
分散されておらず、経営が不安定です。

事業の柱を複数にすることによって、
市場の変動に対応できる柔軟な経営ができる。

そして、運用でも会社経営でも、
長期で安定した成長を実現
ようになります。

会社経営においては、短期的に利益を上げることが
できてもそれが継続できなけ
れば、
長期的に生き残ることはできません。


資産運用も、途中で断念することな

長期で続けられるような工夫が必要です。

そのためには、半年1年といった
短期の利益を狙うのではなく、

10年20年単位の中長期的な安定したリターンを
確保できる投資方法を実践すべきで、

短期で勝つこと、成功することばかり考えるより、
長期で失敗しないこと、損を小さくすることを考える
のが大切なのです。


また、企業も資産運用も経営者が自分で
すべてを行うことはできません。

経営者や運用をする人にとって必要なのは、
自分が適切な指示を出してお金や従業員に
働いてもらうこ
とです。

自分が指示を出さなければお金も人も動かないのです。
何でも自前でやる必要はありません。

資産運用で使うお金は、
人と違っ
て手間はかかりません。


揉めごとを起こすこともありませんし、
文句も言わず働いてくれ
ます。

ただしそれは、「お金の経営責任者」であるあなたが
適切な指示を出すということが前提になります。

お金は人と違って管理が簡単ですが、その分、
自分の資産運用に関する意思決定能力が

成果となってはっきり表れる、
実力主義の世界でもあるのです。

お金に働いてもらうという考え方

お金は本当に真面目な働き者です。
例えば債券を買うと金利を受け取れます。

この金利は、週末の休みの日もちゃんと
毎日計算されています。

それなのに、お金は週末働いていても
何も文句を言いません。

また、お金は見張っていなくてもサボったりしません。
「債券運用せよ」と明確な指示をすれば、
もくもくと働いてくれるのです。

そして、お金は裏切りお金で失敗した人はお金に
裏切られたのではなく、自分が失敗したのです。


そんな真面目で働き者のお金を預貯金だけに
入れている人がたくさんいます。

これでは、せっかくのお金の才能を使いこなさず、
真面目で働き者の資産を怠けさせていることに
ります。

例えば、土地を持っている人であれば、更地のまま
放っておくのはもったいないと思う
でしょう。

駐車場にしたりオフィスビルを建てたりして、
土地に働いてもらうように工夫するわけです。

それと同じように、お金も預貯金に
あそばせておくのではなく、
きちんと働いてもらえる環境に置くことが重要です。


お金は自分の持っている大切な資産のひとつ、
という認識を持たない人が
日本人には多すぎます。

漫然と預貯金に余裕資金を置いておくのは、
せっかくの資産の無駄使いなのです。

お金を持っている人が成功と失敗に分かれる理由の
ひとつが、この「お金に働かせるこ
とが
できるかどうか」ということです。


なぜなら自分ひとりでできることには限界があり
お金という人生のパートナーにも
一緒に働いてもらえば、

さらに自分の夢に近付けるから仕事で人を使って
ビジネスを拡大していくように、

お金という自分が持っている資産を活かすことを
真剣に考えましょう。

自分のお金を預貯金だけに置いている人には、
社員に仕事をさせない経営者と同じような
将来が待っているのです。