ハムスターの車輪を回し続ける人たち

ハムスターの車輪を回し続ける人たち

サラリーマン

ハムスターの車輪を一生懸命に回している大半が
サラリーマンです。

彼らは「この仕事が自分のためになる」なんて
全然思っていません。

つねに「他人のために働かされている」という思いに
さいなまれているのです。

会社のために働いて経営者を富まし、
税金を納めては国を富まし、

ローンを組んでは銀行を富まし、
消費しては大企業を富ましているのです。

自営業者

自営業者も同じようにハムスターの車輪を
一生懸命に回しています。

しかも彼らの場合は、サラリーマンとちがって
休みがないので、もっとたいへんです。

なにしろ、すべてが自分に直接ふりかかり、
はねかえってくるからです。

いつも「現場」にいなくてはなりません。
医者でも弁護士でも建築家でも、
個人営業の
場合は本人が休むと代わりがいません。


患者もお客もみな、
その人本人をあてにしている
のです。

その意味で自営業の場合は、
個人がシステムそのものということになります。

そうなるといとも簡単に、
自分の仕事の「囚われ人」になってしまい、

一生懸命働いて成功すればするほど、
ますます負担が重くなるという
パラドクスに陥ってしまうのです。

投資家

投資家だってハムスターの車輪を回すはめに
陥っていることがよくあります。

というのも、自分は投資家だなどと
偉ぶっている人たちもたいていは、

資産よりも借金や債務のほうが多いというのが
実態だからです。

しかも利回りで得たわずかな「収穫」は、
さらに税務署と分け
合わなくてはなりません。

こうしたことから投資家たちは
「相場」に手を出します。


しかし、その結果はたいてい
思わしいものではありません。

なぜなら素人の彼らには、いつ何を買ってどの時点で
売ればいいかほとんどわからないからです。

そのために損失を抱えて結局は、
「安全な投資」に引きこもってしまうのです。

こうなるともうハムスターの車輪が
彼らを待ちかまえています。


すこしぐらい不労所得
があっても、
そんなものは借金と税金の支払いと、
日々の物価高ですべて食い尽くされて
しまいます。

そして気がつけば損得勘定は
マイナスになっているのです。

これではまるで、下りのエレベーターを
一生懸命駆け上がろうとするのと同じです。

システムに逆らってもどうにもなりません。
こうなるのは元はと 言えばルールを
知らないためです。

企業家

企業家にしたところで、
事情はこれとたいして変わらないでしょう。

自分ではいっぱしの「企業家」の
つもりかもしれませんが、
やっていることは全然そうではないのです。

まり彼らはたいていの場合、
自分の会社の社員たちといっしょに働いています。

でも本当の企業家は、そんなことはしません。
社員といっしょに働くなんて
「サラリー
マン社長」のすることです。


たしかに会社のために働けば
それだけ自分の利益にはなるで
しょう。

しかし彼らは往々にして、経営者としての責任感から
自分にたいして異常にきびしく、社員たちよりも長く
一生懸命に働いています。

もちろん自分の会社なのですからそれでかまわない
のですが、経営者があまりにも日常
の仕事に
のみこまれてしまうと、

本来の目的を果たすことができなくなって
しまいます。


その目的とは、システムを
つくりあげるということです。

多くの企業家は、自分がいなくても会社が機能する
ようなシステムをつくることを怠っています。

しかし、そういうシステムがないと、
企業家は自由になれません。

そういう仕組みをつくらないと、
何もかも自分でやらねばならず、

結局は「社員にこき使われる社長」になって
しまうのです。


このような仕組みをつくっておかないために、
たいていの中小企業の社長さんたちは
社に縛りつけられたままです。

社員の1人が休もうものなら、
すぐに社長みずからが穴埋めにまわって
二人分の仕事をしなければならないのです。

これでは仕事のよろこびも、生きがいも、
ゆとりもなにもあったものではありません。

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