競馬において1番人気の馬券が儲かるかどうかは、馬券種や勝率・連対率・来る確率・回収率によって異なります。以下にそれぞれの要素について説明します。
【馬券種】
1番人気の馬券種には単勝、複勝、馬連、馬単、三連複、三連単などがあります。一般的に、単勝や複勝といった単純な馬券種では、1番人気の馬券の回収率は比較的低い傾向にあります。一方で、馬連や馬単といった複数の馬が絡む馬券種では、1番人気の馬券が回収率が高い傾向があります。
【勝率・連対率・来る確率】
1番人気の馬券の勝率や連対率は、競馬の過去のデータから算出することができます。JRA（日本中央競馬会）の2019年度のデータによれば、1番人気の勝率は約32.9%、連対率は約58.2%でした。また、1番人気が来る確率は約70%程度とされています。
【回収率】
回収率は、購入した馬券の金額と払戻金の比率を表します。1番人気の馬券の回収率は、馬券種や勝率・連対率・来る確率によって異なります。
例えば、単勝の場合、1番人気の馬券の回収率は約70%程度と低く、利益を得ることが難しいとされています。一方で、馬連や馬単といった複数の馬が絡む馬券種では、1番人気の馬券の回収率が比較的高い傾向があります。
【人気馬の特徴】
1番人気の馬券は、多くの場合、実力や人気によって選ばれる傾向にあります。そのため、1番人気の馬は、過去のレース成績や調教状況、騎手の実績など、多くの情報が公開されている場合があります。
これらの情報を分析することで、1番人気の馬の実力や状態を把握し、馬券の買い目を選定することができます。また、人気が高い馬には、多くの人が注目するため、情報が集まりやすい傾向があります。そのため、1番人気の馬について、様々な情報が入手しやすいという利点もあります。
【レースの特徴】
レースの距離やコース、馬場状態など、レースの特徴も、馬券の買い目に影響を与えます。1番人気の馬が優位とされるレースもあれば、逆に1番人気の馬が不利とされるレースもあります。
例えば、短距離のスプリント戦では、スピードが重視されるため、1番人気の馬が優位とされることが多いです。一方で、長距離のレースでは、スタミナが必要となるため、1番人気の馬が苦戦することもあります。
【競馬のスタイル】
競馬には、先行する馬、差す馬、追い込む馬など、様々なスタイルの馬がいます。1番人気の馬がどのようなスタイルで走るかによっても、馬券の買い目が変わってきます。
例えば、先行する馬が有利なレースで、1番人気の馬が逃げ馬として人気がある場合、その馬券を買うことで儲けることができます。逆に、1番人気の馬が追い込み馬として人気がある場合は、不利とされることがあります。
1番人気の馬券の勝率や回収率について、より詳しく解説します。
【1番人気の勝率】
1番人気の勝率は、全体的に高い傾向にあります。JRA（日本中央競馬会）の統計によると、2020年度の1番人気の勝率は、約34.6%でした。つまり、3レースに1回は1番人気が勝っているということになります。
ただし、勝率はレースの種類や距離、馬場状態などによって異なります。例えば、G1（最高位の競走）や重賞レースでは、1番人気の勝率が高くなる傾向にあります。また、短距離のスプリント戦では、1番人気の勝率が高い傾向があります。
【1番人気の回収率】
1番人気の回収率は、勝率と比べると低い傾向にあります。回収率とは、投資した金額に対して、獲得できた配当金の割合を表します。つまり、回収率が高いほど、投資に対するリターンが大きくなります。
JRAの統計によると、2020年度の1番人気の回収率は、約77.7%でした。つまり、100円投資して的中した場合、平均的には77.7円の配当が返ってくるということになります。1番人気が連対（1着または2着）する確率は高いため、回収率はそれほど低くはありませんが、馬券の種類やレースの特徴によっては、回収率が低下することがあります。
【まとめ】
1番人気の馬券は、勝率が高い傾向にありますが、回収率が低い傾向にあります。馬券の買い目を選ぶ際には、1番人気の馬が過剰人気になっていないか、レースの特徴や競馬のスタイルなど、様々な要素を考慮して判断することが重要です。また、情報収集や分析をしっかり行うことで、優良な買い目を選ぶことができます。
【1番人気以外の馬券】
1番人気以外の馬券についても、勝率や回収率を知っておくことが重要です。
勝率は、1番人気に比べると低い傾向にありますが、種類や距離、馬場状態によって異なります。JRAの統計によると、2020年度の2番人気の勝率は約19.4%、3番人気の勝率は約12.9%でした。1番人気以外の勝率が高い場合には、過剰人気になりにくいという特徴があります。
回収率については、馬券の種類によって異なります。単勝、複勝、馬連、ワイドなど、配当金の割合が異なる馬券種別があります。例えば、単勝は回収率が低く、高配当が期待できる3連単は回収率が高い傾向にあります。
また、連対率や来る確率も注目すべきポイントです。連対率とは、馬が1着または2着に入る確率のことを指し、来る確率とは、馬が1着から3着に入る確率のことを指します。これらの確率が高い馬には、2番人気や3番人気でも注目する価値があります。
【まとめ】
1番人気以外の馬券についても、勝率や回収率、連対率、来る確率など、様々な指標を確認することが重要です。馬券の種類やレースの特徴によって、勝ちやすい馬や高配当が期待できる馬が変わってきます。情報収集や分析をしっかり行うことで、優良な買い目を選ぶことができます。
さらに、1番人気以外の馬券であっても、過剰人気になってしまう場合があります。例えば、2番人気や3番人気でも、その馬が一度勝ったことがある場合や、人気の騎手が乗っている場合など、特別な理由があると過剰人気になりやすい傾向があります。
逆に、注目度が低い馬でも、レースの特徴や馬場状態によっては、勝ちやすい場合があります。例えば、適性距離や馬場適性、調教状態、前走の成績など、様々な要素を総合的に判断することで、馬券の中には高配当が期待できる買い目も存在します。
また、馬券購入にあたっては、自分自身の予算に合わせて適切な買い方をすることも重要です。無理な賭け方をしてしまい、大きな損失を被ってしまうことは避けたいところです。自分が負担できる範囲で、慎重に買い目を選んでいきましょう。
具体例を挙げながら、1番人気とそれ以外の馬券について分析していきましょう。
例えば、以下のようなレースがあったとします。
・競馬場：東京競馬場
・レース：3歳未勝利
・距離：1600m
・馬場状態：良
・出走馬数：16頭
このレースの1番人気は、前走で2着になった馬Aとします。この馬Aの勝率は25%、連対率は50%、来る確率は75%、回収率は1.8倍というデータがあったとします。一方、2番人気は前走で勝利した馬Bで、勝率は20%、連対率は35%、来る確率は50%、回収率は1.7倍というデータがあります。
この場合、1番人気の馬Aは過去の成績から優秀な成績を残しており、勝率も高く連対率や来る確率も高いため、馬券としては堅い選択となります。ただし、回収率が1.8倍ということは、賭けた額に対して、配当金が少なめであることを示しています。そのため、馬券を買っても大きな配当は期待できないため、儲けるためには大きく賭ける必要があります。
一方、2番人気の馬Bは前走で勝利しているため、過去の成績から勝率はやや低いものの、連対率や来る確率は50%を超えており、回収率も1.7倍と高めの配当が期待できます。そのため、比較的小さな賭け金で、高配当を狙うことができます。
また、3番人気や4番人気以降の馬券についても注目しておくことが大切です。例えば、このレースに出走している16頭の中で、5番人気以下である馬Cには以下のようなデータがあったとします。
・勝率：15%
・連対率：30%
・来る確率：40%
・回収率：3.2倍
この馬Cは過去の成績から、勝率や連対率はやや低めですが、来る確率は40%と高めで、回収率も3.2倍と非常に高配当が期待できます。また、この馬Cは過去の成績から、今回のレースの距離や馬場状態に合っている可能性も高いため、穴馬として注目すべき候補の1頭となります。
このように、1番人気だけでなく、上位人気馬以外の馬券にも注目することが大切です。過去の成績や距離、馬場状態、騎手などを考慮しながら、自分なりの予想を立てて、それに応じた賭け方をすることが大切です。
ただし、競馬は予想が当たらないこともあります。そのため、自分の予算を決めて、負けても大きなダメージを受けないように、賭け金をコントロールすることも重要です。また、競馬はギャンブルであるため、責任を持って楽しむことが大切です。
ここで、さらに具体的な事例を挙げてみます。
例えば、あるレースで1番人気の馬が5倍、2番人気が7倍、3番人気が8倍のオッズである場合を考えます。このとき、1番人気馬に1000円賭け、2番人気馬に500円、3番人気馬に250円賭けたとします。
この場合、1番人気馬が勝利した場合の回収率は5倍なので、1000円賭けた場合、5000円の払戻金が得られます。2番人気馬が勝利した場合の回収率は7倍なので、500円賭けた場合、3500円の払戻金が得られます。3番人気馬が勝利した場合の回収率は8倍なので、250円賭けた場合、2000円の払戻金が得られます。
つまり、3頭に賭けた合計投資額は1750円であり、最大の払戻金は5000円となります。この場合、回収率は約2.86倍となります。1番人気馬に全額を賭けていた場合、払戻金は5000円と同じですが、投資額は1000円で回収率は5倍となります。
ただし、ここで注意しなければならないのは、3頭に賭けた場合、3番人気以下の馬に賭けていないため、それらの馬が勝利した場合は払戻金が得られないということです。また、馬券の種類によっても回収率が異なるため、自分の予算や予想に合わせた適切な馬券の種類を選ぶことも重要です。
